森博嗣「探偵伯爵と僕」
森博嗣と言えば、「すべてがFになる」が有名だし、第1回メフィスト賞の作品という事もあって、名前は知っていたんだけど、恥ずかしながら作品を読んだ事がなかった。できれば、「すべてがFになる」から読めば良いんだろうけど、たまたま目に入った本書を読んでみた。
あらすじ
夏休み直前のある日、「僕」は「探偵伯爵」と友達になった。
夏休みには日記を書けと言われていた僕は、お父さんに貰ったお古のワープロで日記を書くことにした。
夏祭りの夜、友達のハリィが行方不明になった。部屋と秘密基地に残されたトランプのエースのカード。カードの意味は?伯爵は本当は何者?これは、僕と伯爵のひと夏の物語。
(wikipediaより)
<感想>
読みやすい。「僕」という子供の視点で物語が進行する為か文章が読みやすい。大人だとなんとも思わない、何気ない事に疑問をもったりするのが新鮮で面白くて、ちょっと考えさせられる。
森博嗣の作品、面白い。調べてみたら、かなり執筆ペースの速い方みたいで作品・シリーズもとても多いよう。他の作品も読んでみよう。
2017/11/3読了。
以下、ネタバレ含む
犯人の意外性は然程なく、それより伯爵が被害者の父親である事が意外だった。伯爵自身にそういうモチベーションがあって、事件に関わっていた事の方が意外。単に謎のキャラクターなのだと思っていたから。
そして終盤、事件が解決して、「僕」の文章が終わったと思ったら、伯爵からの返信。
あれ?宛名は?名前は?新太じゃないの??
この最後の2ページでやられた。
被害にあった子供達の性別が逆に描写されていた事。
子供達の死んでいる描写はされていたけど、どのようにして殺されたのかははっきりしなかった。被害に遭ったのが女児ばかりだとすると、「僕」がその点について書きたくなかったのか、性的な事も暗に連想させられる。子供視点ならではの作品だった。